調剤薬局の採用は、他業種とは少し事情が違います。多くの仕事では、欠員が出ても残ったメンバーで何とか回す、という選択肢があります。ところが薬局では、薬剤師が一人抜けただけで、店舗を開けられるかどうかという問題に直結します。採用が「あったほうがいい活動」ではなく、「止めてはいけない業務」になっているのです。

それにもかかわらず、採用は店舗業務の合間に、管理薬剤師が片手間でこなしているケースが目立ちます。この構造のまま欠員が出てから動き始めると、補充が間に合わず現場が疲弊する——多くの薬局が経験している悪循環です。本記事では、この循環をどう断ち切るかを考えます。

欠員は「起きてから」では遅い

薬剤師には法令上の人員配置基準があり、配置を満たせなければ営業そのものに支障が出ます。だからこそ、採用は欠員が出てから始めるのでは遅いのです。

採用がうまく回っている薬局は、欠員の有無にかかわらず採用チャネルを動かし続けています。常に薄く募集をかけ、良い候補がいれば面談する。すぐに採れなくても、いざ欠員が出たときに連絡できる候補のストックがある。この「待ち受けの姿勢」があるかどうかで、欠員から補充までの期間は大きく変わります。逆に、辞表を受け取ってから求人を出す運用では、どうしても数か月の空白が生まれてしまいます。

採用が店舗ごとに「孤立」していないか

複数店舗を展開している薬局ほど、別の落とし穴があります。採用が各店舗の管理薬剤師に委ねられ、ノウハウが共有されないまま属人化していくのです。

ある店舗は応募が安定しているのに、隣の店舗は何か月も決まらない。その差が、立地ではなく「求人原稿の質」や「応募者対応の速さ」から来ていることは少なくありません。店舗ごとに採用力がバラついている状態は、見方を変えれば、うまくいっている店舗のやり方を横展開するだけで全体を底上げできる余地がある、ということでもあります。求人のテンプレート、対応フロー、使う媒体を標準化するだけで、採用効率は驚くほど揃ってきます。

薬剤師と調剤事務は、響くポイントが違う

採用を一括りに考えると、訴求がぼやけます。薬剤師と調剤事務では、仕事を選ぶ理由がそもそも異なるからです。

薬剤師が気にするのは、勤務環境やワークライフバランス、在宅対応や勉強会といったキャリアの広がりです。一方、調剤事務、とくに未経験者が見ているのは、「未経験でも本当に大丈夫か」「どんな研修があるのか」という入口の安心感です。同じ求人媒体に同じトーンで載せても、どちらにも中途半端にしか届きません。職種ごとに、刺さる言葉と見せ方を変える必要があります。

採用代行(RPO)でできること

こうした課題に対して、採用代行(RPO)は採用を「個人の頑張り」から「仕組み」へと移し替える役割を果たします。人材紹介のように人を紹介して終わりではなく、募集設計から応募者対応までを継続して代行するのが特徴です。

薬局の文脈では、たとえば次のような形で機能します。

  • 欠員の有無にかかわらず採用チャネルを動かし続け、補充までの空白を縮める
  • 店舗ごとにばらついた求人原稿・対応フローを標準化し、採用力の差をなくす
  • 薬剤師・調剤事務それぞれに最適な媒体と訴求で募集をかける
  • 問い合わせや面接日程の調整を代行し、店舗業務を止めない

管理薬剤師が調剤と投薬に集中できる時間を確保しながら、採用は専門チームが裏側で回し続ける。この分担が、人手不足の影響をやわらげます。

採用だけでなく、事務の負荷も見直す

薬局の人手不足は、採用の問題であると同時に「一人あたりの業務量が多すぎる」問題でもあります。ここで併せて検討したいのが、事務代行(BPO)の活用です。

レセプト関連の事務処理や、定型的なバックオフィス業務を外部に切り出せば、店舗スタッフが薬剤師・調剤事務の本来業務に専念できます。採用で人を増やす努力と、一人あたりの負荷を減らす努力。この両方を同時に進めることで、「採っても採っても追いつかない」状態から抜け出しやすくなります。採用と事務は別々の課題のようでいて、現場の余裕という一点でつながっています。

まずは「自店の採用の弱点」を一つ見つける

すべてを一度に変える必要はありません。欠員が出てから動いているのか、店舗ごとに採用力が違うのか、職種別の訴求ができていないのか。自店の採用がどこでつまずいているのかを一つ特定するだけでも、打ち手は具体的になります。

株式会社ZENEDGEは、調剤薬局をはじめとする業界特化の採用代行(RPO)・事務代行(BPO)を提供しています。採用の仕組みづくりや業務の切り出しについて、現状に合わせたご提案が可能です。詳しくはお問い合わせください。